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経理コスト削減の進め方|アイデア・計算方法と外注/BPO比較

2026/7/21

経理コストの削減は、人件費の削減と同義ではありません。経理担当者の採用費、派遣費、外注費、システム費、そして残業や属人化による見えないコストまで含めて、経理部門にかかる総コストを把握することから始まります。

工数削減とコスト削減は目的が異なります。工数削減は作業時間を減らすことで、コスト削減は金額を減らすことです。工数を減らしても外注費が増えれば、トータルコストは上がります。逆に、効率化で工数を減らしつつ外注を活用すれば、両方を削減できます。

この記事では、経理コストと工数の削減方法、削減効果の計算方法、経理部門で見直せる削減アイデア、採用・派遣・外注・BPOの費用比較、削減に向けた取り組みの進め方を解説します。

経理コスト削減と工数削減の違い

コスト削減は金額を減らすこと

経理コスト削減は、経理部門にかかる費用を金額ベースで減らすことを指します。対象には、人件費、採用費、研修費、外注費、派遣費、システム費、オフィス費などが含まれます。

工数削減は作業時間を減らすこと

工数削減は、経理業務にかかる作業時間を減らすことを指します。自動化、標準化、外注化によって工数を減らします。工数を減らすと人件費も下がるため、結果的にコスト削減に繋がります。

経費削減との違い

経費削減は、交際費、通信費、消耗品費など、事業活動で発生する経費そのものを減らすことです。経理コスト削減は、経理部門の運営コストを減らすことで、対象が異なります。

経理コストの内訳を把握する

削減の前提は、現状のコスト内訳を正確に把握することです。主な項目は次のとおりです。

  • 人件費:経理担当者の給与、賞与、社会保険料

  • 採用費:求人広告費、紹介手数料、研修費

  • 派遣費:派遣社員の派遣料金

  • 外注費:経理代行、BPO、業務委託の費用

  • システム費:会計ソフト、請求書管理、給与計算システムの利用料

  • 残業費・見えないコスト:月末・決算期の残業、属人化による引き継ぎコスト

特に残業費と属人化コストは見えにくいため、月次・決算期の実労働時間を計測して可視化します。

経理部門で見直すコスト削減アイデア

紙・郵送・保管にかかる経費を見直す

請求書、領収書、稟議書、契約書などを紙で処理している場合、印刷、郵送、保管、探す時間が積み重なります。電子帳簿保存法や社内ルールに沿って電子化できる範囲を整理し、紙で残すものと電子化するものを分けます。

請求・入金・経費精算の定型作業を減らす

経理部門の削減余地は、単なる備品費ではなく、請求書処理、入金確認、経費精算、支払準備といった定型作業にあります。作業ごとの件数、担当者、締め日、確認工程を洗い出し、自動化・外注化できる工程を切り分けます。

コスト削減目標は業務単位で置く

「経費を下げる」だけでは現場が動きにくいため、削減目標は業務単位で設定します。たとえば、請求書処理の転記を減らす、入金消込の確認工程を短くする、紙の保管を減らすなど、対象業務と削減方法をセットにします。

削減効果の計算方法と計算式

工数削減の計算式

削減工数は、「改善前の作業時間 − 改善後の作業時間」で算出します。対象業務、期間、担当者をそろえて比較し、削減された時間を自社の時間単価で金額換算します。

削減工数を金額換算するには、削減工数 × 時間単価 で計算します。時間単価は、人件費 ÷ 年間総労働時間 で求めます。

コスト削減率の計算式

コスト削減率は、「(改善前コスト − 改善後コスト) ÷ 改善前コスト × 100」で算出します。改善前後の人件費、外注費、システム費、残業費の範囲をそろえないと、削減率を比較できません。

削減効果を継続的に測る

削減効果は一度測って終わりではなく、月次・四半期で継続的に測定します。特に外注を導入した場合は、外注費と削減された工数・コストのバランスを定期的に確認します。

採用・派遣・外注・BPOの費用比較

正社員採用

正社員を採用すると、給与のほかに採用費、研修費、社会保険料、オフィス費がかかります。メリットは社内にノウハウが蓄積することですが、採用難で募集が集まらないリスクと、退職時の引き継ぎコストがあります。

派遣社員

派遣社員は、即戦力を柔軟に確保できる点が特徴です。派遣料金は時給ベースで、社会保険や研修は派遣元が担います。ただし、業務の範囲が派遣法で制限され、長期的には正社員より割高になる場合があります。

業務委託(フリーランス)

業務委託は、特定の業務を外部のフリーランスに委託する形態です。在宅・リモートでの対応が多く、固定的な人件費を抑えられます。ただし、属人化しやすく、契約終了時の引き継ぎリスクがあります。

経理代行・BPO

経理代行やBPOは、業務プロセス全体を専門業者に任せる形態です。採用・育成・属人化リスクを業者側が吸収し、定型業務を標準化して回します。費用は業務範囲に応じて定額化でき、コスト予測が立ちやすいのが特徴です。

比較のポイント

各手法を比較するときは、単価だけでなく、採用リスク、属人化リスク、業務量の増減への対応、内部統制への影響まで含めて判断します。最安の手法が、総コスト最小につながるとは限りません。

経理コスト削減に向けた取り組みの進め方

経理コスト削減の進め方
経理コスト削減の進め方

業務を可視化・標準化する

まずは現状の業務フロー、作業時間、担当者を可視化します。次に、マニュアル化と入力ルールの統一で標準化します。標準化は、自動化と外注化の前提になります。

自動化できる業務を切り出す

定型業務(記帳、入金消込、給与計算、経費精算など)は、クラウド会計やRPAで自動化を検討します。ただし、自動化は前提が整ってから導入し、設定だけで終わらせない運用設計が必要です。

外注・BPOで定型業務を切り出す

自動化だけではカバーしきれない定型業務は、外注やBPOで切り出します。社内には承認と意思決定を残し、定型業務を外部に委ねることで、人件費と属人化リスクを同時に減らせます。

人材配置を見直す

削減された工数を、決算分析、資金繰り、税務対応など付加価値の高い業務に振り向けます。経理部門のコストセンター化を防ぎ、利益に貢献する体制へ移行します。

よくある失敗と注意点

必要な確認工程まで削る

経費削減でやってはいけないのは、承認、照合、残高確認など、ミスや不正を防ぐ工程まで削ることです。作業を減らす場合も、入力と承認、実行と確認の分掌は残します。

単価だけで判断する

外注費や派遣費の単価だけを見て判断すると、導入後に隠れコストが発覚し、トータルコストが増えることがあります。導入前に総コストを試算します。

自動化で属人化が残る

自動化ツールを導入しても、運用が特定の担当者に依存すると、属人化は解消されません。マニュアル化と権限の分掌をセットで進めます。

削減効果を測らない

削減効果を一度しか測らないと、効果が持続しているか分かりません。月次・四半期で削減効果を測定し、必要に応じて手法を見直します。

削減策を選ぶときは、まず経理業務効率化の進め方で削れる工程と残す判断を分けます。固定人件費と外注費を比べる場合は、経理外注の費用・範囲・依頼先も同じ業務量で比較してください。

よくある質問

経理コスト削減は何から始めるべきですか?

まず、採用費、人件費、派遣費、システム費、外注費、月次遅延による見えないコストを分けて確認します。単純な人件費削減ではなく、業務量と必要な体制を見直すことが重要です。

経費削減と経理コスト削減は違いますか?

経費削減は支出全体を減らす取り組みです。経理コスト削減は、経理業務にかかる人件費、作業時間、確認工数、ミス対応、採用・派遣・外注費を見直す取り組みです。

まとめ

経理コスト削減は、人件費の削減だけでなく、採用費、外注費、システム費、残業費、属人化コストを含めた総コストを把握することから始まります。工数削減とコスト削減は目的が異なり、工数を減らしても外注費が増えればトータルコストは上がるため、両方のバランスを測ることが重要です。

削減効果は、「(改善前 − 改善後) ÷ 改善前」で計算し、月次・四半期で継続測定します。採用、派遣、業務委託、経理代行・BPOを比較する際は、単価だけでなく、採用リスク、属人化リスク、増減への対応、内部統制への影響まで含めて判断します。

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