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税理士に経理代行は頼める?税理士法の範囲と経理実務の分け方

2026/7/6

「税理士に頼んでいるのに、毎月の経理業務が社内に残っている」と感じる会社は少なくありません。これは、税理士の役割と経理代行の役割が違うためです。

税理士は、税務代理、税務書類の作成、税務相談などを担う専門家です。一方で、請求、支払、入金確認、証憑整理、会計ソフト入力などは、毎月の経理実務として社内に残りやすい業務です。

この記事では、税理士、経理代行、記帳代行の違いと、税理士法上注意すべき範囲を整理します。個別の法的判断が必要な場合は、顧問税理士や専門家に確認してください。

税理士と経理代行は役割が違う

税理士と経理代行の役割分担
図1: 税理士と経理代行の役割分担

税理士は、税務判断や申告に関わる専門家です。国税庁の説明では、税理士業務として税務代理、税務書類の作成、税務相談が挙げられています。

一方で、経理代行会社は、日々の経理実務を支援するサービスです。請求書の整理、支払予定の管理、入金確認、会計ソフト入力、月次処理の準備などを担います。

つまり、税理士は「税務判断」、経理代行は「経理実務」と考えると整理しやすくなります。顧問税理士がいる会社でも、税理士を変えずに経理実務だけを外部化する選択肢があります。

税理士に頼める主な業務

  • 税務代理

  • 税務書類の作成

  • 税務相談

  • 決算申告

  • 税務調査対応

  • 節税や税務上の判断に関する相談

これらは専門的な税務判断が必要な領域です。申告書をどう作るか、税務上どう判断するか、税務署にどう対応するかは、税理士に確認すべき領域です。

経理代行会社に頼める主な業務

  • 記帳・仕訳入力

  • 証憑整理

  • 請求書発行

  • 入金確認

  • 支払予定の整理

  • 振込データ作成

  • 経費精算

  • 月次処理の準備

  • 顧問税理士への資料共有

経理代行会社に任せやすいのは、毎月繰り返される経理実務です。ただし、税務判断を含む相談や申告書作成は税理士の領域です。経理代行会社を使う場合は、経理実務と税務判断を分けて考える必要があります。

経理代行が税理士法違反になりやすいケース

経理代行で注意すべき税務領域
図2: 経理代行で注意すべき税務領域

経理代行そのものが違法というわけではありません。問題になるのは、税理士資格がない会社や担当者が、税務代理、税務書類の作成、税務相談に踏み込むケースです。

たとえば、具体的な税務判断を行う、申告書を自己の判断で作成する、税務署への対応を代理する、個別の節税判断を助言する、といった行為は注意が必要です。

国税庁の税理士制度Q&Aでは、会計帳簿の記帳代行などの会計事務についても整理されています。経理代行を使う場合は、単なる会計事務と、税務代理・税務書類作成・税務相談の境界を分けておくことが重要です。

税理士がいる会社でも経理代行は使える

顧問税理士がいる会社でも、経理代行は使えます。むしろ、顧問税理士を変えずに、社内に残っている経理実務だけを経理代行会社に任せる形は現実的です。

たとえば、経理代行会社が請求、支払、入金確認、会計ソフト入力、証憑整理を行い、税理士が決算申告や税務判断を行う分担です。この場合、税理士と経理代行会社の間で、資料共有のタイミング、確認範囲、判断が必要な論点の渡し方を決めておく必要があります。

記帳代行と経理代行の違い

記帳代行は、会計ソフトへの入力や帳簿作成が中心です。領収書、請求書、通帳明細、クレジットカード明細などをもとに、仕訳を入力します。

経理代行は、記帳に加えて、請求、支払、入金確認、経費精算、月次処理など、経理業務全体を広く対象にします。

社内の課題が「会計入力が追いつかない」だけなら記帳代行で足りるかもしれません。しかし、「請求や支払が属人化している」「月次が遅い」「一人経理が不安」という場合は、経理代行の方が合う可能性があります。

顧問税理士を変えずに経理代行を使う流れ

  1. 社内に残っている経理実務を洗い出す。請求、支払、入金確認、証憑整理、会計入力、月次資料作成のうち、どこが負担になっているかを整理します。

  2. 税理士に確認すべき領域を分ける。税務判断が必要なもの、申告に関わるもの、税理士の確認が必要なものを分けます。

  3. 経理代行会社に任せる業務を決める。毎月の定型業務を中心に、経理代行会社へ依頼する範囲を決めます。

  4. 資料共有と確認フローを決める。会計ソフト、チャット、共有フォルダなどを使い、社内、経理代行会社、税理士の間で情報が止まらない流れを作ります。

税理士と経理代行を併用するときの確認表

確認項目 社内で決めること 税理士・経理代行との分担
会計ソフト 誰が入力し、誰が確認するか 経理代行が入力、税理士が税務判断を確認
証憑整理 提出期限と保管方法 経理代行が整理し、必要資料を税理士へ共有
請求・支払 承認者と実行権限 経理代行は準備、社内が承認・実行
月次処理 月次締めの希望日 経理代行が資料整理、税理士が税務確認
税務相談 誰に相談するか 税理士に確認。経理代行は判断しない

まとめ

税理士と経理代行は、役割が違います。税理士は税務判断や申告を担い、経理代行会社は毎月の経理実務を担います。

税理士に頼んでいるのに経理業務が回らない場合は、税理士を変える前に、経理実務だけを外部化できないかを検討する価値があります。顧問税理士を変えずに、請求、支払、入金確認、月次処理だけを切り出したい方は、現在の税理士との分担を含めて相談してください。

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参考情報

  • 国税庁 2 税理士の業務: https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/qa/02.htm

  • 国税庁 第2条《税理士業務》関係: https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/zeirishi/02.htm

  • 日本税理士会連合会 税理士とは: https://www.nichizeiren.or.jp/cpta/about/

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